重大で死亡率も高い感染症を、一度に複数予防出来るワクチンです。対応している感染症の数によって2種〜9種までのワクチンがあります。何種類のワクチンにするかは、地域ごとの感染症の発生状況や、愛犬のライフスタイルなどを考慮する必要があるので、獣医師とよく相談して決めましょう。なお、感染経路はそれぞれ異なるが、主に感染した犬の排泄物を口にしたり、せきやくしゃみなどの飛沫に触れることで感染します。
予防法:動物病院でワクチン接種をうけます。
時期:ワクチンの接種時期や回数は、その犬の月齢や年齢、体調などによっても異なります。獣医師に効果的なワクチンプログラムを立ててもらい、それに従って接種するようにしましょう。通常は、初年度は生後50日前後に1回、その3〜4週間後に2回目を受けます。地域や獣医師によっては3回目、4回目の接種が必要なケースもあります。2年目以降は1年に1回となります。
料金:8種混合ワクチンで7,000円〜9,000円が相場です。
感染した動物にかまれることにより、その唾液中のウイルスが傷口から侵入して感染、脳に至る中枢神経がおかされ、凶暴化して死に至ります。人間にもうつる可能性があり、死亡率ほぼ100%という非常に恐ろしい病気です。
日本国内では1956年に発生以降、確認はされていませんが、海外では毎年数万人がこの病気で命を落としており、輸入ペットなどを通じて再び国内に上陸する可能性があります。狂犬病の発生および蔓延を防ぐために、法律により年1回のワクチン接種が義務付けられています。これを違反した場合は、20万円以下の罰則となります。
予防法:動物病院または自治体の集合会場でワクチン接種を受けます。
時期:初年度は、生後3か月を過ぎたら接種をおこないます。最近は混合ワクチンを優先するため、実際には生後4〜5か月で接種する事が多いです。2年目以降は1年に1回。毎年春になると、自治体の広報に告知されたり、かかりつけの動物病院から通知がきます。
料金:初回は畜犬登録を含め6,000円〜7,000円前後、2回目以降は3,000円〜4,000円前後です。
いずれも内部寄生虫で、消化器官などに寄生します。犬の排泄物などから経口・経鼻感染することが多いですが、回虫や鉤虫は、母犬からの胎盤感染や母乳感染もあります。主な症状は、下痢、貧血、血便、食欲不振など・・・。症状が出ないケースもありますが、寄生虫を持っていると他の病気にもなりやすくなりますので、定期的にチェックしてあげましょう。
予防法:散歩の時など、他の犬の排泄物に口をつけないように気を配りましょう。動物病院で定期的に検便を行い、寄生している場合は、駆虫薬を服用させましょう。条虫はノミが中間宿主になるので、ノミの駆除も徹底しましょう。
時期:1年を通して。
料金:検便は1回1,000円〜1,500円程度。
フィラリア(犬糸状虫)は、蚊を媒介して寄生する白いソーメン状の内部寄生虫で、心臓や肺動脈に寄生して増殖します。進行してしまうと心臓疾患を起こし、死に至る事も多いです。
予防法:蚊の発生期間に、月1回予防薬を投与します。飲み薬のほか、皮膚に落とすスポット(滴下)タイプのものもあります。すでに感染していると予防薬で副作用を起こす場合もあり得ますので、動物病院で血液検査を行った上で、処方してもらいましょう。
時期:5月〜11月頃まで(地域によって異なります。)
料金:予防薬は1回分1,000円〜3,000円前後。犬の体重によって異なります。
ノミやダニは、皮膚や被毛、耳など体の表面に寄生し、ひどいかゆみを引き起こします。
体をかきむしって出来た傷口から細菌が入って皮膚炎を起こしたり、多量に寄生されると貧血を起こす事もあります。ノミは条虫、マダニはバベシアという寄生虫を媒介することもあります。
予防法:衛生的な生活環境を整える事を心がけ、散歩の後にはノミ・ダニがいないかチェックをしましょう。シーズン中は予防(駆虫)薬も併用するとなお良いでしょう。
薬はスポットタイプ(滴下)、錠剤、スプレー式など色々なタイプがあり、持続期間はそれぞれ異なります。ショップで市販されている医薬部外品よりも動物病院で処方してもらう方が良いと思います。
時期:衛生環境は1年を通して気を配りましょう。薬は4〜11月ごろに使用するのが良いでしょう。(地域によっても異なります。)
料金:スポットタイプ1回分(1か月程度効果が持続する場合)で1,000円〜2,000円程度。
犬の混合ワクチンには現在、5種・6種・7種・8種・9種があります。
5種混合ワクチンが基本となり、【ジステンパーウイルス】、【アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)】、【アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)】、【パラインフルエンザ感染症】、【パルボウイルス感染症】この5種のウイルスです。
6種混合ワクチンは、上記基本の5種に加え【コロナウイルス感染症】が追加されます。
7種混合ワクチンでは、上記基本の5種に加え【レプトスピラ感染症】の2種が追加されたものです。レプトスピラ感染症にはいくつか種類があり、多くのワクチンでは2種類、黄疸出血型・カニコーラ型が使われています。最近では3種類ヘブドマディス型のレプトスピラ血清型を使っているものもあります。
8種混合ワクチンは、上記の6種混合ワクチンに加え【レプトスピラ感染症】の2種が追加されたものです。
9種混合ワクチンは、上記6種混合ワクチンに加え【レプトスピラ感染症】の3種が追加されたものです。
| 感染症の名前 | 特徴 | 5種 | 6種 | 7種 | 8種 | 9種 |
| ジステンパー感染症 | 1歳未満の子犬の発症率が高い。初期症状は発熱や食欲不振などだが、症状が進むと神経障害があらわれ、命を落とすこともあります。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| パルボウイルス感染症 | 突然死する心筋型と、ひどい嘔吐と下痢が続く腸炎型があります。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 伝染性肝炎 (アデノウイルスⅠ型感染症) |
発熱、食欲不振、鼻汁などの軽い症状のものから、肝炎をともない死に至るものまでさまざまです。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| アデノウイルス Ⅱ型感染症 |
発熱やせきのほか扁桃炎、肺炎、気管支炎などの呼吸器疾患を起こす。他の細菌やウイルスと混合感染すると症状が重くなる。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| パラインフルエンザ | 乾いたせきや鼻水、扁桃炎など人間の風邪の症状によく似ている。他の細菌やウイルスと混合感染すると症状が重くなります。 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| レプストピラ感染症 黄疸出血型 カニコーラ型 |
レプトスピラという細菌によって起きる動物由来感染症です。レプトスピラ症に感染している犬やネズミ・家畜など他の動物からも感染します。感染している個体の尿に細菌が含まれておりそれによって感染します。しかも、症状が回復したあとでも尿に病原菌が含まれて排出されます。この細菌は、液体中で長期間生息するので、水溜りや池などに入って感染することもあります。腎不全や肝不全が起こりやすく、手当てが遅れると尿毒症を起こして死亡率が高くなります。皮下出血や鼻血、血便、吐血も起こります。これは、人への感染もありますが、人への感染源はネズミが主です。 | ○ | ○ | ○ | ||
| コロナウイルス感染症 | おもな症状は、食欲不振、嘔吐、下痢など。子犬は症状が悪化しやすい。パルボウイルスと合併すると症状が重くなり、死に至ることもあります。 | ○ | ○ | ○ | ○ |
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